♥折れないこころ

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先日、電車の中で
こんな会話を耳にしました。

「心が折れちゃって……」
「うん、私も。ポキッと折れた」

うら若き女性二人。彼女たちは私の前に立ち、
吊革につかまっています。
お互い、顔を合わせることもなく、
力のない視線を窓の外へ向けています。
――何があったのかなぁ――
私は座席で目を閉じます。

「もうイヤだ」
「私も。もうイヤ」

薄目を開けて見れば、一人は紺色のスーツ、
もう一人も似たようなパンツ・スーツ。

就活の悩み? それとも職場内でのもめ事?
会話は弾むことなく断片的、
ため息交じりのぼそぼそとしたつぶやきだけが聞こえてきます。
私の降りる駅が近づいてきました。
「すみません」
道をあけてもらいます。

心が折れた
ぽきっと折れた
もうイヤ

話せる相手がいるって、幸せです。
こころ折れて、誰にも話すことができず、一人でそれを抱えていくって、
けっこうキツイじゃないですか?
そんなことを考えながらホームを歩きました。

♥「百折不撓」(ひゃくせつふとう)♥

将棋扇子 八段 木村一基 「百折不撓」

☗将棋棋士木村一基八段の書です。
以前、千駄ヶ谷の将棋会館で開かれたイベントで、
木村八段が白扇に揮毫される姿を目にしました。
いつも、ユーモラスなトークでイベントを盛り上げて下さる方ですが、
筆を持つ表情は対局時と同じ。真剣そのもの。
ちょっぴり薄い頭部(失礼!)に汗を浮かべておられたことを思い出します。

「百折不撓」
何度失敗しても、
負けても負けても
こころざしを曲げない

木村八段といえば、タイトル挑戦6回! 獲得ゼロ。
将棋のタイトル戦は、挑戦者となることだけでもえらくタイヘンなのです。
その大変な道を通り抜け、6度も挑戦権を獲得したのですから
けっこう凄い!
しかし、その6度とも獲得は成らず――
心—どれだけ折れたでしょうか。
しかし彼は
♥またがんばる♥
と、次の対局に向かうのです。

「百折不撓」
電車の中の二人に、
そして、すべての一生懸命なひとへ
この言葉を贈ります。

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