僕らはみんな呪われている

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世の中で一番身近な呪いって、なんだと思いますか?

私にとってそれは、ある人から投げかけられたひとつのお願いでした。

お話をする前に、まず、ここでいう呪いというのを定義づけてしまおうと思います。
呪いとは何か? スピリチュアルな側面から迫ったら、それはもう説明しづらいものになってしまうんですけど、
誰もが経験したことのある、一番身近なものとして、
私は、呪いとは「どうしても忘れられない言葉」だと定義しています。
「女の子なんだから」とか「アイツは根暗だから」とか、そんなの本当は気にしなくてもいいはずなのに、
その言葉が自分のあり方を縛ってしまう、「忘れられない言葉」「頭の片隅から、ふと湧き出てくる言葉」
そういうものを投げかけられた時に、人はその言葉に呪われてしまいます。

私にとってそれは、22の時のこと、探偵を辞める時に投げかけられた言葉でした。
「なにかひとつくらい、やり遂げてくださいよ……」
その言葉を言った所長が、どんな顔をしていたのか、よく覚えていません。
あきれ果てていたのか、こちらの身を案じてくれていたのか、激励だったのか、今となってはわかりません。
ただ、「なにかひとつくらい、やり遂げてくたさい」という、その言葉は、ふとした瞬間に、頭の隅から湧き上がってくるんです。
そのたびに思います。
果たして、私はなにかひとつでもやり遂げたことがあったのでしょうか? と。
もし、運命や神様みたいな何かが、私の人生を客観的に見ていたら、
もしかしたら、「あなたはこれをやり遂げたじゃん」といってくれるかもしれません。
ですが、やっぱり今の私は、「ああ、私は何もやり遂げることができないのかもな」と考えてしまうんですよね。

これが、他人から見たら、ひどくどうでもいい、些細な些細な、
これまで、自分は何もやり遂げてないかもしれない。
という呪いです。

では、呪いを解くにはどうしたらいいのでしょう?
何かやり遂げればいい。まさにその通りです。
でも、感情って不思議なもので、他人から見たらやり遂げているように見えても、本人はそう思わないんですよね。
そういう人、私も沢山見てきました。
「こんなの、努力したとは言えない」
「私は全然魅力的じゃない」
他の人が見たらそんなことないのに、なんでかそう思ってしまうんですよね。

じゃあ、どうしたらいいんでしょう?
ひとつだけ、自分が呪いとうまく付き合う方法を紹介します。
それは、自覚してしまうことです。
あ、この言葉に自分は呪われているな、と自覚してしまうこと。

そうしたら、その言葉に対して、私はこう考えることができます。
「やり遂げたかどうか、私は自分では判断できない。それはほかの人が判断すればいい」

呪いが怖いのは、それが正体不明だからなんですよね。
正体不明のモノには対処することができませんから。
こういうものだと形を作ってしまえば、開き直ってしまえます。

と、いうわけで。
「なにかひとつくらい、やり遂げてくださいよ」
まあ、ぼちぼち頑張ってみます。

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