その座席の価値を僕はまだ知らない

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


上野店のすぐ近くの小劇場「上野ストアハウス」さんのところで観劇をするのが専らの趣味になりつつあります。
どうもこんばんは。ルドルフです。
公演回数の少ない小劇場で行われる演劇には一期一会の趣があって、
今この瞬間じゃないとこれは見られなかったなと思うと、ちょっと値が張ってもつい見たくなってしまうんですよね。
まあ、これも縁です。
占い館のすぐ近くに小劇場があったのが運の尽きというか、運が良かったというか。

さて、今回はずいぶん前にあったちょっと印象に残ってるエピソードです。
いつのころでしたっけ?
聞かれてもわからないと思いますが。
もうずいぶん前のこと、電車で自宅に帰る途中、優先席の前に吊革につかまってぼーっとしていたら、
目の前の優先席に座っていたおじいさんに声をかけられました。
シュッとした体形の、なんだかダンディなおじいさんだったのを覚えています。
間もなく到着する駅の名前を告げるアナウンスが社内に鳴り響く中、おじいさんははっきりと私に向かって、
「どうぞ」
と、立ちあがり、私に席を譲ろうとしたのです。
戸惑う私に、そのおじいさんは、
「もう私は降りますから」
そうは言っても、そこは優先席です。
座っていいものなのか、周りの目も気になってまごまごしていると、そのおじいさんは
「(次に座る人も)空いている席に座るより、貴方に譲ってもらった方が嬉しいでしょう?」
そう言って、にっこりと笑いました。
いや、もうほんと。
そんな席の譲り方もあるのか!? と、その時は衝撃でした。軽いパニックにもなりました。
目の前のおじいさんは紳士すぎるし、そんなこと言われて座らないわけにもいかないし、
私はうまく席を譲ることができるのだろうか? なんて、よくわからない緊張感に包まれるし。
程なくして、電車は駅に着き、そのおじいさんは降りていきました。
私はというと、最初は何とか座っていたものの、恥ずかしいやら緊張やらで、
ものの数分とそこに座っていることができず、結局、車両を変えました。
後であの席に座った人は、その席でそんな葛藤があったことなんて知る由もありませんね。

あの電車での出来事、これからもきっと事あるごとに思い出すんでしょうけど、
私はそれをどう消化すればいいのか、いまだによくわかりません。
今日はただそれだけのお話です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*