
四柱推命における「乙」は柔らかく繊細な「陰の木」で、「草花」のイメージを持つ繊細な存在です。季節の気候変動に特に影響されやすい性質を持ちます。季節に合わせた過ごし方を日常に取り入れることで、乙本来の「柔らかくもしなやか」な魅力をさらに引き出すことができるでしょう。
春生まれの乙:芽吹きと調和を象徴する性格と運気
春に生まれた乙(寅・卯・辰月)は、自然界で言えば草花がのびやかに芽吹く季節です。乙木にとっても最もエネルギーが満ちる時期にあたります。そのため、性格も素直で柔軟、人との調和を大切にする協調性に恵まれています。まわりからの印象も良く、自然と人望が集まる運勢を持つのが特徴です。

仲間意識が過剰になると、外部への配慮が薄くなり、よくない方向へ流されてしまうこともあります。良き導き手に恵まれると、グングンと成長していきますが、悪い仲間とあらぬ方向へ加速してしまうこともあります。
開運のカギは「行動の明確化」と「信頼できる助言者を持つこと」です。春の陽気さを活かして、新しいチャレンジや人間関係の拡大に積極的になると、人生の可能性が大きく広がるでしょう。
夏生まれの乙:高温・火気の中で求められる潤いと自立力
夏(午・未・申月)に生まれた乙は、炎天下に晒される草花のような存在。日差しが強く、火のエネルギーが過剰になるため、乾きやすくバランスを崩しがちです。性格的には明るく見える一方で、内面には焦りと不安定さを抱えやすく、周囲に気を遣いすぎて疲れてしまう傾向もあります。

このタイプは、自分で自分を潤す「水=癒し・休息」が非常に重要です。こまめなリフレッシュや自己表現の時間を持つことで、精神的なバランスが整い、潜在能力が活かされやすくなります。特に「自分の感情を丁寧に扱う」ことが開運のポイントです。
また、夏乙の人は表面的に人と合わせつつも、内面ではしっかりと自立した考えを持つことが鍵となります。感情に流されず、目標を持って行動することで、周囲からの評価も上がりやすくなります。
秋生まれの乙:収斂期の草花としての成熟と見直しの時期
秋(酉・戌・亥月)の乙は、季節的に草木が枯れはじめ、生命エネルギーが内側へと収斂していく時期に生まれます。そのため、このタイプは非常に内省的で観察力が鋭く、知性と精神性の高さを持ち合わせています。控えめながら芯のある性格で、洞察力と忍耐力に優れるのが大きな魅力です。

一方で、表現が控えめすぎるとチャンスを逃しがち。特に自分の才能や意見を口にすることをためらってしまう場面では、あと一歩の勇気が運気を大きく変えるカギになります。秋乙は「自分の意見を伝える力」と「目標に向かって、行動に移す勇気」を意識的に高めることが重要です。
自己肯定感を大切にし、自分らしさを受け入れながら諦めずに根気強く人生の実りを育てていく姿勢が、最大の開運法となるでしょう。
冬生まれの乙:厳冬に根を張るエネルギーと内面の深み
冬(子・丑・寅月)に生まれた乙は、冷たい土にじっと根を張り、厳しい季節に耐える草花のような存在。見た目は繊細ですが、内面には強い粘りと精神的な深さを持っています。
一方で、冷えた季節に生まれているため、外部からの“温かさ”を必要とします。これは人間関係で言えば、情熱的な人との関わりや、趣味・仕事への情熱を絶やさないことが心の栄養になります。冷えた環境の中でも、自分で温もりを見出せる人ほど、運気が自然と整っていきます。

このタイプの乙にとって最も大切なのは「信念と継続」。時に孤独を感じることがあっても、心の灯火を絶やさなければ、必ず春が訪れます。人生の本質を見極める目を持ち、着実に道を歩むその姿は、周囲に深い信頼感を与えるでしょう。
季節のエネルギーに合わせた行動
乙は季節の流れに強く影響を受けるため、「季節のエネルギーに逆らう行動」は心身の乱れや運気の停滞につながります。
たとえば、春に激しい断捨離や強制的な変化を起こすと、成長エネルギーが削がれ、調子を崩すことがあります。一方で、夏に過度な社交や多動的なスケジュールを詰め込むと、感情の起伏が激しくなり、燃え尽きやすいのが特徴です。
特に注意すべきは「土用の期間」や「季節の切り替わり(節入り)前後」。このタイミングは五行のバランスが崩れやすいため、乙のような繊細な木性は大きく揺れます。土用には無理な決断を避け、心身のメンテナンスや内省に充てるのが吉。です。