『この恋は甘い地獄』第3話 止まらないメッセージの波

同窓会の夜から始まった、毎日のやり取り

同窓会で彼と再会してから、
日常が少しだけ賑やかになりました。

最初は「昨日はありがとう」
それくらいの軽い連絡だったはずなのに、
翌日にはもう昔話や仕事のことまで話すようになっていました。

彼のメッセージは不思議と心地よく、
読んでいて疲れない、安心感があります。

既読をつければすぐに返ってくるそのテンポも、
どこか昔の空気に戻ったようで、懐かしく感じていました。


胸に残った、彼のふとした一言

ある夜、ふと届いた一言が、
思った以上に胸に残りました。

「今日も話せてよかった。また明日も話したい」

学生の頃、感情を言葉にするタイプではなかった彼からのその言葉に、
少し驚きながらも、じんわり嬉しくなってしまいました。

気がつけば、反射的に返信していました。

「うん、また明日ね。なんか懐かしくて楽しいね。」

画面を閉じたあと、
布団の中で小さく笑ってしまったのは、内緒です。


彼との距離が、静かに近づいてくる

それからの彼は、
少しずつ踏み込んだ言葉を送ってくるようになりました。

「今度さ、ゆっくり話せる時間つくらない?会って話したい。」

画面を見た瞬間、胸がドキッと鳴りました。

大人になった今は、
勢いだけで動けるわけではありません。

それぞれに事情もあるし、
慎重にならなきゃいけない気持ちも、ちゃんとありました。

それでも、
彼と話す時間があまりに自然で楽しくて。

一度深呼吸をしてから、返信しました。

「うん。会おうか」

その瞬間、胸の奥がふわっと熱くなりました。
でも、不思議と後悔はありませんでした。


眠れなかった夜と、少しのときめき

その夜は、なかなか眠れませんでした。

布団に入りながら、
再び彼に会う日のことを考えてしまって。

同窓会に行く前は、
こんな展開になるなんて、思いもしなかったのに。

人生って、
時々こんなふうに、急に動き出すから不思議です。

少しだけ。
本当に少しだけ、
次に会う日が楽しみになっていました。


次回予告:第4話

次回は、
約束した再会の日について書こうと思います。

久しぶりに顔を合わせた彼は、
思っていたよりも普通で、
思っていたよりも特別でした。

何も起きないはずだった再会が、
少しずつ心の距離を変えていく――

続きはまた次回。

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