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婚外恋愛〜男の本音〜

第5話 会いたくて仕方がない

気付けば考えている

仕事中。

打ち合わせをしていても。

メールを返していても。

ふとした瞬間に、彼女のことを考えている。


らしくない

昔の自分なら笑っていたと思う。

いい歳をした男が。

家庭もあって。

子供もいて。

何をやっているんだ、と。


それでも

頭では分かっている。

でも気持ちが追いつかない。


会ったばかりなのに

数日前に会ったばかりだ。

連絡も取っている。

何も問題はない。

なのに。

もう会いたい。


欲しかったもの

最初は刺激だと思っていた。

男として見られたいだけだと思っていた。

でも違った。


彼女だった

会いたいのは誰でもいいわけじゃない。

彼女だから会いたい。

彼女だから話したい。

彼女だから笑ってほしい。


家にいても

夕飯を食べる。

家族と話す。

子供の話を聞く。

いつも通りの夜。


罪悪感より

もちろん罪悪感はある。

でも不思議だった。

罪悪感よりも。

会いたい気持ちの方が大きい。


危険だと思う

これは危険だ。

身体の関係だけなら、もっと簡単だった。

都合のいい関係なら、もっと楽だった。


そうじゃない

彼女が今日何をしていたのか気になる。

体調は大丈夫か。

仕事はどうだったか。

そんなことばかり考えている。


メッセージ

夜。

スマホを見る。

返信はまだ来ていない。

それだけで少し落ち着かない。


情けない

自分でも情けないと思う。

経営者として判断する時は冷静なのに。

仕事では何百万円も動かしているのに。

彼女からの返信ひとつで気持ちが揺れる。


久しぶりだった

こんな感覚は久しぶりだった。

いや。

もしかしたら初めてかもしれない。


欲張りになる

会えればいいと思っていた。

でも違った。

会ったら、また会いたくなる。


止まらない

会いたい。

ただ、それだけなのに。

その気持ちが日に日に大きくなっていく。


たぶん、この頃にはもう。

俺の方が先に落ちていた。

彼女が思っている以上に。

ずっと深く。

婚外恋愛〜男の本音〜

第4話 思ったほど後悔していなかった朝

翌朝、いつも通り目が覚めた。

隣には妻がいて、家の中には生活の音がある。

何も変わらない朝。

本当なら、後悔しているはずだった。


やってしまった

一線を越えた。

言い訳はできない。

家庭がある。

子供もいる。

やってはいけないことをした。

それくらい分かっている。


想像していた罪悪感

もっと苦しくなると思っていた。

自己嫌悪でいっぱいになると思っていた。

家族の顔を見られなくなるかもしれないと思っていた。


でも

思ったほどではなかった。

もちろん罪悪感がゼロじゃない。

そんなことはない。

でも——

それ以上に残っていた感情があった。


幸せだった

楽しかった。

それが一番近い。

一緒にいた時間が、純粋に楽しかった。


思い出してしまう

車を運転していても。

仕事をしていても。

ふとした瞬間に彼女の顔が浮かぶ。


まずい

これはまずいと思った。

身体の関係を持ったことじゃない。

そっちじゃない。


問題は

彼女に会いたいと思っていることだった。

もう一度会いたい。

話したい。

笑っている顔が見たい。


遊びなら簡単だった

もし遊びなら。

その場だけなら。

もっと楽だった。

連絡を減らして。

自然に終わらせればいい。


できなかった

スマホを開く。

彼女からメッセージが来ている。

短い文章。

それを見ただけで少し嬉しくなる。


危険な方向

たぶん。

男が本当にハマるのは身体じゃない。

居心地なんだと思う。


欲しくなる

また会いたい。

次はいつ会えるだろう。

そんなことを考えている。


分かっている

このまま進めば面倒になる。

感情が大きくなる。

傷付くかもしれない。

終わる時は苦しい。

全部分かっている。


それでも

後悔しているかと聞かれたら。

正直、できなかった。


むしろ俺は、

次に会う日を考えている。

そんな自分の方が怖かった。

婚外恋愛〜男の本音〜

第3話 今度、夜に会える?

分かっていた

もう、友達ではいられない。

二回目に会った時には、なんとなく分かっていた。

彼女と話していると楽しい。

会う前より、会った後の方が気になる。

それはもう、ただの知り合いじゃなかった。


危ないと思った

だからこそ、少し距離を置こうとも思った。

家庭がある。

子供もいる。

この歳になって恋愛なんて、面倒なだけだ。

そう思おうとした。


それでも

気付けば彼女とのメッセージを開いている。

仕事の合間。

信号待ち。

寝る前。

返信が来ると嬉しい。

来ないと少し気になる。


夜

ある日の夜。

家族はリビングにいる。

テレビの音が聞こえる。

いつもの光景。

何も問題はない。


足りない

それなのに、頭に浮かぶのは彼女だった。

今、何してるんだろう。

そんなことを考えている。


理性

ここで終わればいい。

会わなければいい。

そうすれば何も起きない。

誰も傷付かない。


本音

でも、会いたかった。

もっと話したかった。

もっと知りたかった。


打ったメッセージ

スマホを開く。

少し考える。

そして送った。

「今度、夜に会える?」


送信したあと

画面を見つめる。

消したくなる。

なかったことにしたくなる。


分かっていた

夜に会う意味くらい分かっている。

子供じゃない。

お互い既婚者だ。


返信

彼女から返事が来る。

短い文章だった。

でも、その返事を見た瞬間。

嬉しいと思ってしまった。


引き返せる場所

たぶん、この時が最後だった。

引き返せたのは。

会わなければ終われた。

会っても帰れば終われた。


それでも

その夜。

彼女に会うことを楽しみにしている自分がいた。

家庭も。

現実も。

全部分かった上で。


男は、好きになってから一線を越えるんじゃない。

一線を越える前から、

もう気持ちが始まっていることがある。

少なくとも、俺はそうだった。

婚外恋愛〜男の本音〜

第2話 また会いたいと思ってしまった

帰り道

カフェを出たあと。

車を走らせながら、ふと時計を見る。

思っていたより長い時間、一緒にいた。

それなのに、不思議なくらい疲れていない。

むしろ少し気分が軽かった。


久しぶりだった

女性と話したからじゃない。

楽しかったからでもない。

もちろん、それもあった。

でも一番大きかったのは——

無理をしなかったことだった。


気を遣わなかった

変によく見せようとしなかった。

面白い話をしようとも思わなかった。

沈黙があっても気まずくない。

話題がなくなっても焦らない。

そんな時間が、久しぶりだった。


家に帰る

家に帰ると、いつも通りだった。

子供たちの声。

妻の「おかえり」。

何も変わらない。

本当に何も変わっていない。


それなのに

気付くと、彼女との会話を思い出している。

あの時の笑い方。

少し首を傾げる癖。

話している時の表情。

どうでもいいようなことばかり。


自分でも意外だった

正直、ここまで残るとは思っていなかった。

会う前は、

一度会って終わるかもしれない。

そんなふうに思っていた。


メッセージ画面

夜。

スマホを開く。

何度か閉じる。

また開く。


迷う

送る理由なんてない。

今日のお礼は言った。

それで十分だ。

大人なんだから。

家庭もある。

変に期待を持たせるのも違う。


それでも

このまま終わるのは、少し嫌だった。


打った言葉

しばらく画面を見つめてから、メッセージを送った。

「今日はありがとうございました」

一度止まる。

それだけで終わろうと思った。


本音

でも、指が動いた。

「また会えたら嬉しいです」

送信ボタンを押した瞬間。

少しだけ後悔した。


大人げない

何をやっているんだろうと思った。

学生じゃあるまいし。

この歳になって。


返信

しばらくして返信が来る。

短い文章だった。

でも、それだけで十分だった。


まだ知らなかった

この時はまだ。

次に会うことを楽しみにしている自分に、気付いていなかった。


ただ。

久しぶりに思った。

また会いたい。

それだけだった。

少なくとも、この時は。

婚外恋愛〜男の本音〜

第1話 もう男として終わったと思っていた

不満があるわけじゃない

家庭に不満があったわけじゃない。

妻とは長い付き合いだし、子供たちも大切だ。

仕事も順調だった。

世間から見れば、たぶん恵まれている方だと思う。


それでも

ふと感じることがあった。

最近、自分は何のために生きているんだろう、と。

朝起きて仕事へ行く。

家に帰る。

家族と食事をする。

また朝が来る。

それを繰り返す。


消えていたもの

父親としての役割。

夫としての役割。

それはちゃんと果たしている。

でも——

男としての自分は、どこへ行ったんだろう。

そんなことを考える日が増えていた。


軽い気持ち

マッチングアプリを入れたのは、そんな頃だった。

深い理由なんてない。

恋愛がしたかったわけでもない。

離婚したかったわけでもない。

ただ、誰かと話したかった。

それだけだった。


彼女

何人かとやり取りをした。

でも続かない。

途中で面倒になる。

そんな繰り返しだった。


なぜか続いた

彼女との会話だけは違った。

特別な話をしていたわけじゃない。

今日あったこと。

仕事のこと。

子供のこと。

本当に普通の会話。


居心地の良さ

なのに、不思議だった。

返事が来ると少し嬉しい。

気付けば返信している。

無理をしていないのに会話が続く。


会ってみたい

写真を見ても、正直よく分からなかった。

タイプかと言われれば違う気もする。

でも——

一度会ってみたいと思った。

見た目じゃなくて。

話してみたいと思った。


初めて会う日

待ち合わせはカフェだった。

正直、少しだけ緊張していた。

この歳になって、初対面の女性に緊張するなんて思わなかった。


向かい側

彼女は先に来ていた。

写真で見た時より、柔らかい印象だった。

席に座る。

挨拶をする。

少し笑う。


気付けば

あっという間だった。

時間が過ぎるのが早かった。

会話が途切れない。

変に気を遣わなくていい。


久しぶりの感覚

帰り道。

ひとりで車を運転しながら思った。

楽しかったな。


ただ、それだけだった。

少なくとも、この時は。

まさか——

この人が、自分の日常を変える存在になるなんて。

まだ想像もしていなかった。

『婚外恋愛』最終話 婚外恋愛の結末

最後の待ち合わせ

待ち合わせの駅に向かう途中。

何度も引き返したくなった。

今日で終わる。

ちゃんと、分かっている。


変わらない景色

彼の車に乗る。

いつもと同じ匂い。
いつもと同じ声。

少し前まで、
この場所が一番落ち着いていた。


何も言えない

車の中で、あまり会話はなかった。

何を話しても、
最後に繋がってしまいそうで。

沈黙ばかりが増えていく。


ふたりだけの場所

部屋に入る。

何度も来た場所。

笑った日も、
離れたくなかった日も。

全部、ここに置いてきた。


終わる関係

「ごめん」

彼が言う。

その言葉だけで十分だった。

責められない。

責めたところで、
何も変わらない。


分かっていた

最初から、分かっていた。

ずっと続く関係じゃないこと。

現実には勝てないこと。

家庭があって、
子供がいて。

守るものがあること。


それでも本気だった

でも——

嘘じゃなかった。

少なくとも私は、本気だった。

会いたくて。
触れたくて。
失いたくなくて。

毎日の中で、
確かに彼を愛していた。


甘い時間

あの時間は、逃げだったんだろうか。

寂しさを埋めるための関係だったんだろうか。

たぶん、それだけじゃない。


ちゃんと幸せだった

一緒にいる時、幸せだった。

笑って、安心して、
満たされていた。

だから苦しい。

幸せだった記憶ほど、
あとから人を苦しめる。


元には戻れない

この恋が終わったからって、
何もなかった頃の自分には戻れない。

彼を知る前みたいに、
普通の毎日だけを生きることは、もうできない。


残ったもの

残ったのは、
少しの後悔と。

忘れられない温度だった。


婚外恋愛

きっと、正しい恋ではなかった。

誰かに胸を張れる関係でもない。

でも——

人生の中で、
確かに存在した恋だった。


逃げだったのか。

純愛だったのか。

今でも、よく分からない。


ただひとつ言えるのは。

あの時の私は、
確かに彼を愛していた。

『婚外恋愛』第19話 選ばなければいけない日

会えない時間

会えなくなって、三週間が過ぎていた。

連絡は続いている。

「おはよう」
「今日も忙しい」
「やっと落ち着きそう」

言葉はある。

でも——

前とは、違う。


埋まらない距離

やり取りをしていても、満たされない。

画面越しの言葉だけでは、
もう足りなくなっていた。

会っていた頃の感覚を、
体が覚えてしまっている。


久しぶりの約束

「少しだけなら会える」

そのメッセージを見た瞬間、
胸が苦しくなるくらい嬉しかった。

やっと会える。

そう思っただけで、
止まっていた時間が動き出す。


再会

久しぶりに乗った彼の車。

隣にいるだけで安心するのに、
同時に少しだけ緊張していた。

会えなかった時間が、
前とは違う空気を作っている。


足りなかった言葉

「ごめんね」

彼が、小さく言った。

その言葉だけで、
張っていたものが崩れそうになる。


本音

「このまま終わるのかと思った」

気付いたら、口にしていた。

言うつもりなんてなかった。

重くなりたくなかった。

でも、怖かった。

本当に。


初めて見る顔

彼は少し黙ってから、
静かに言った。

「俺も怖かった」

その顔は、
今まで見たことがないくらい苦しそうだった。


現実

「でも、家庭を壊すつもりはない」

その言葉で、空気が止まる。

分かっていた。

最初から分かっていたこと。


分かっていたはずなのに

苦しかった。

彼が悪いわけじゃない。

むしろ、正しい。

子供がいて、家庭があって。

守るものがある。

当然のこと。


それでも

じゃあ、私たちは何なんだろう。

ここまで気持ちが深くなって。

こんなに求め合って。

それでも、“選ばれない側”なんだろうか。


選ばなければいけない日

ずっと曖昧なままでいられると思っていた。

でも、本当は違った。

いつか必ず、現実は来る。


家庭か。

それとも、この恋か。


選ばなければいけない日が、
少しずつ近付いていた。

続きはまた次回。

『婚外恋愛』第18話 崩れるきっかけ

その日は、突然だった

「ごめん、しばらく会うの難しいかも」

送られてきたメッセージを、何度も読み返した。

短い文章。

でも、その一文だけで、
呼吸が浅くなる。


理由

子供のことで、家の空気が少し怪しい。

最近、帰りが遅いって言われた。

しばらくは慎重にしたい。

そう書かれていた。


現実

初めてだった。

“家庭”という現実が、
はっきりこの関係に入り込んできたのは。


分かっていたはずなのに

そんな日が来ることくらい、分かっていた。

お互い家庭がある。

子供もいる。

ずっと同じようには続けられない。

そんなこと、最初から分かっていたはずなのに。


思った以上に

頭では理解できる。

でも、感情が追いつかない。

「そっか」

そう返すだけで精一杯だった。


怖かった言葉

“しばらく”

その言葉が、やけに怖かった。

一週間なのか。
一ヶ月なのか。

それとも——

もっと長いのか。


空いた場所

会えなくなっただけで、
生活の感覚が変わる。

時間が余る。

でも、その余った時間を、うまく使えない。


家にいるのに

子供と話していても、
夕飯を作っていても。

頭のどこかで、彼のことを考えている。

今、何してるんだろう。

同じように苦しいんだろうか。


温度差

ふと、不安になる。

私だけだったらどうしよう。

私だけが、こんなに苦しくて。

彼はちゃんと家庭に戻れていたら。


崩れ始める

会えていた時には見えなかったものが、
少しずつ見え始める。

この関係の不安定さ。

保証なんて、どこにもないこと。


それでも

終わりだとは思いたくなかった。

思った瞬間、
本当に終わってしまいそうで。


だから私は、
何も聞けなかった。

「待ってる」

その一言さえ、
重くなりそうで言えなかった。

続きはまた次回。

『婚外恋愛』第17話 ずっと続くと思っていた

当たり前になりすぎていた

いつからだろう。

この関係が終わるかもしれない、なんて。

考えなくなっていた。


次がある前提

「また来週ね」

その言葉を、疑ったことがない。

会える日を決めて、
いつもの駅で待ち合わせて、
いつものように彼の車に乗る。

その流れが、ずっと続く気がしていた。


少しの変化

でも最近、少しだけ違う。

連絡が遅い日がある。

仕事が忙しいと言われる回数が増えた。

会えている。
ちゃんと会えている。

それなのに——

前みたいに安心できない。


考えたくないのに

「もし終わったら」

ふと、その考えが浮かぶ。

すぐに打ち消す。

考えても意味がない。

でも、一度浮かんだ不安は、簡単には消えない。


依存

前は、自分の生活がちゃんとあった。

子供のことをして、
家のことをして、
その中に彼がいた。

でも今は違う。

彼との時間を中心に、
全部が回っている。


なくなった時

もし、この関係がなくなったら。

そう考えた瞬間、
胸の奥がざわつく。

空っぽになる感覚が、想像できてしまう。


怖いのは終わりじゃない

終わることより怖いのは。

終わったあと、
元の自分に戻れる気がしないことだった。


気付いてしまった

私はもう、“刺激”を求めているんじゃない。

彼自身を求めている。


失いたくない

だから、怖い。

少しの違和感だけで、不安になる。

返信ひとつで気持ちが揺れる。

そんな自分になってしまった。


ずっとなんてない

本当は分かっている。

“ずっと”なんて、ないこと。

家庭があって、
現実があって。

この関係が永遠じゃないことくらい、
最初から知っていたはずなのに。


それでも私は、どこかで信じていた。

この時間だけは、
ずっと続くんじゃないかって。

続きはまた次回。

『婚外恋愛』第16話 ふと感じた違和感

小さなズレ

最初は、本当に小さなことだった。

「ごめん、今日は少し遅れる」

ただ、それだけ。

仕事をしていれば普通にあること。
今までだって、何度もあった。

なのに——

なぜか少しだけ、引っかかった。


待つ時間

待ち合わせの駅で、スマホを見る。

まだ既読にならない。

ほんの数分。

それだけなのに、
落ち着かない。


考えなくていいこと

仕事かもしれない。
電話中かもしれない。

頭では分かっている。

でも、考え始めると止まらない。


違和感の正体

前なら、こんなことで揺れなかった。

会えれば、それでよかった。

彼がそこにいてくれれば、
それだけで満たされていた。


欲張りになった

いつからだろう。

“会えるだけでいい”じゃなくなったのは。

返信の速さ。
声のトーン。
ちょっとした空気。

そんな細かいことばかり、気になるようになっている。


会えたのに

その日も、ちゃんと会えた。

いつも通り車に乗って、
いつも通り隣にいる。

触れられると安心する。

でも——

どこか少しだけ、違う。


気のせい

たぶん、気のせい。

疲れているだけかもしれない。

考えすぎだって、自分に言い聞かせる。


笑っているのに

彼はいつも通り笑っている。

会話も普通。
態度も変わらない。

なのに、自分だけが勝手に不安になっている気がした。


言えない

「なんか今日、少し違う?」

そんなこと、聞けるはずがない。

重いと思われたくない。

面倒な関係には、なりたくない。


崩れ始める時

幸せな時間の中に、
ほんの少しだけ混ざった違和感。

それは小さいのに、妙に残る。


気付かないふりをしているけど。

本当はもう、分かっている。


好きになればなるほど。

失うことが、怖くなっていく。

続きはまた次回。