戻った時間
会えなかった週が終わって、
やっと、いつもの流れが戻った。
数駅離れた場所で待ち合わせて、
彼の車に乗る。
いつもと同じ景色なのに、
少しだけ久しぶりに感じた。
一週間ぶり
「なんか、久しぶりな感じするね」
彼がそう言って笑う。
たった一週間。
それだけなのに、
少しだけ遠かった気がした。
軽い言い方
車の中で、ふと聞かれる。
「寂しかった?」
冗談みたいな言い方だった。
でも、本気で聞いているのが分かる。
隠しきれない気持ち
少し迷ってから、答えた。
「ちょっとだけ」
本当は、もう少しあった気がする。
でも全部は言えなかった。
同じだった
彼は、小さく頷いて。
「俺も」
そう言った。
安心
その一言で、力が抜けた。
自分だけじゃなかった。
同じように感じていた。
それが分かっただけで、
こんなにも安心するなんて思わなかった。
埋まる空白
部屋に入って、
いつもの距離に戻る。
触れられた瞬間、
空いていた時間が埋まっていく。
何も言わなくても分かる。
同じように、会いたかったこと。
落ち着く場所
「やっぱり落ち着くね」
彼がそう言う。
何気ない言葉なのに、
少しだけ胸に残った。
自分だけじゃない
ここが落ち着く場所になっているのは、
自分だけじゃない。
その事実が、静かに嬉しかった。
確信
会えなかった時間さえ、
意味があったように思える。
離れていたからこそ、
分かったことがある。
この関係は、ちゃんと続いている。
そう思ってしまった。
同じ温度で、
同じ気持ちで。
彼も、ここにいる。
そう信じられたことが——
何より安心だった。
続きはまた次回。
崩れたリズム
その週は、会えなかった。
いつもなら、どこかの曜日で会っている。
自然に始まったはずなのに、
いつの間にか、それが当たり前になっていた。
たった一週間
「今週は難しいかも」
彼から来たメッセージ。
仕方がない理由だということは、分かっていた。
仕事の都合。
外せない予定。
責めるようなことじゃない。
思った以上に
それなのに——
思っていたよりも、引っかかった。
たった一週間。
それだけのことなのに。
落ち着かない
前なら、平気だったはずなのに。
少しくらい間が空いても、
こんなふうにはならなかった。
でも今は違う。
リズムが崩れるだけで、落ち着かない。
本当なら今ごろ
時計を見るたび、考えてしまう。
本当なら、今ごろ会っている時間。
車の中で話して、
もう部屋に入っている頃。
そんな想像ばかりが浮かぶ。
足りない
連絡は来る。
やり取りも、いつも通り。
でも——
足りない。
文字だけでは、埋まらない。
会える前提
少し前まで、これが普通だったはずなのに。
会わない日常。
それが、もう思い出せない。
気付いてしまった
私は——
この“会える前提”に、慣れすぎていた。
当たり前にあると思っていたから、
なくなった時に初めて分かる。
崩れていく感覚
たった一週間、会えないだけで。
こんなにも気持ちが揺れるなんて。
これは、ただ会いたいだけなんだろうか。
それとも——
もう、戻れないところまで来ているんだろうか。
続きはまた次回。
気付けば、考えなくなっていた
前は、少しだけ迷っていたはずなのに。
これでいいのか。
どこまで進んでしまうのか。
どこかで引っかかっていた感覚が、確かにあった。
でも今は——
もう、何も思わない。
特別じゃなくなった関係
彼に会うことを、特別だと思わなくなっていた。
予定を合わせることも、
時間を作ることも、
全部が自然にできてしまう。
無理をしている感覚がない。
会う理由
「会いたい」
その気持ちに、理由を探さなくなった。
寂しいからでもない。
刺激がほしいからでもない。
ただ、会う。
それだけで、一日がちゃんと整う。
終わりを意識しない
前は、帰る時間が少しだけ寂しかった。
でも今は違う。
「また会える」が前提になっている。
だから、終わりを終わりだと思わなくなった。
途切れない感覚
会っている時間も、
会っていない時間も。
完全には離れていない気がしている。
やり取りがなくても、
どこかで繋がっている。
そんな感覚が、当たり前になっていた。
消えてしまった境界線
おかしいことをしている。
その事実だけは、ちゃんと分かっている。
でも——
分かっているだけだった。
そこに痛みも、罪悪感も、
ほとんど残っていない。
慣れてしまった
たぶん、慣れてしまったんだと思う。
彼がいることに。
この関係に。
この時間に。
失いたくないもの
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
失いたくない。
はっきり言葉にしなくても、
それだけは分かる。
普通の定義
どこからが普通で、
どこまでが間違いなのか。
もう、その線が分からない。
ただ——
このままでいたい。
そう思っている自分だけが、
やけにはっきりしていた。
続きはまた次回。