『婚外恋愛』第10話 普通になってしまった

気付けば、考えなくなっていた

前は、少しだけ迷っていたはずなのに。

これでいいのか。
どこまで進んでしまうのか。

どこかで引っかかっていた感覚が、確かにあった。

でも今は——
もう、何も思わない。


特別じゃなくなった関係

彼に会うことを、特別だと思わなくなっていた。

予定を合わせることも、
時間を作ることも、
全部が自然にできてしまう。

無理をしている感覚がない。


会う理由

「会いたい」

その気持ちに、理由を探さなくなった。

寂しいからでもない。
刺激がほしいからでもない。

ただ、会う。

それだけで、一日がちゃんと整う。


終わりを意識しない

前は、帰る時間が少しだけ寂しかった。

でも今は違う。

「また会える」が前提になっている。

だから、終わりを終わりだと思わなくなった。


途切れない感覚

会っている時間も、
会っていない時間も。

完全には離れていない気がしている。

やり取りがなくても、
どこかで繋がっている。

そんな感覚が、当たり前になっていた。


消えてしまった境界線

おかしいことをしている。

その事実だけは、ちゃんと分かっている。

でも——

分かっているだけだった。

そこに痛みも、罪悪感も、
ほとんど残っていない。


慣れてしまった

たぶん、慣れてしまったんだと思う。

彼がいることに。
この関係に。
この時間に。


失いたくないもの

それでも、ひとつだけ確かなことがある。

失いたくない。

はっきり言葉にしなくても、
それだけは分かる。


普通の定義

どこからが普通で、
どこまでが間違いなのか。

もう、その線が分からない。


ただ——

このままでいたい。

そう思っている自分だけが、
やけにはっきりしていた。

続きはまた次回。

コメントを残す

*