
いつもの時間
朝、子供たちを送り出して、
いつものように家のことを終わらせる。
時計を見る。
まだ時間があるのに、
もう外に出る準備をしている。
考えるまでもなく、
体が先に動いていた。
向かう先
数駅離れた場所。
彼の車に乗り込むと、
それだけで気持ちが軽くなる。
何も変わらないはずの一日なのに、
ここから先は、まったく別の時間になる。
自分でいられる場所
部屋に入ると、自然に力が抜ける。
何も背負わなくていい。
母でもなく、
妻でもなく。
ただ、自分でいられる。
そんな感覚が、当たり前になっていた。
作らなくていい時間
家では、いつも何かを気にしている。
子供のこと。
夫のこと。
やるべきこと。
でもここでは、違う。
何も考えなくていい。
ちゃんとしなくてもいい。
それでも、受け入れられている。
比べてしまう
ふと、思う。
どっちが本当なんだろう。
家にいる自分と、
ここにいる自分。
どちらも嘘じゃないはずなのに、
重さが違う。
軽くなっていく
ここにいると、
心が軽くなる。
笑うことも、話すことも、
無理をしていない。
自然にできる。
その感覚が、少しずつ広がっていく。
戻る時間
帰る時間になると、
少しだけ現実に引き戻される。
車を降りて、
駅に向かって歩く。
さっきまでの空気が、遠くなる。
家に帰って
玄関のドアを開ける。
いつもの景色。
いつもの空気。
何も変わっていないはずなのに、
少しだけ違和感がある。
ズレ
ここが“帰る場所”のはずなのに。
なぜか、しっくりこない。
さっきまでいた場所の方が、
自分に近かった気がする。
気付いてしまった。
私は——
あの時間の方が、好きだ。
それは、ただ楽なだけなのか。
それとも——
本当の自分に近いだけなのか。
続きはまた次回。