
終わりのはずなのに
最初の頃は、帰る時間が近づくと、少しだけ寂しかった。
「もう帰るね」
その一言が、どこか重かった。
でも——
今は、少し違う。
当たり前の約束
「またね」
自然に出るようになった言葉。
深い意味なんて込めていないのに、
その一言だけで、次が決まる。
いつ会うかも、
細かく決めなくなった。
それでも、不安はなかった。
終わりじゃない
別れる瞬間が、終わりじゃなくなっている。
ドアを出ても、
車に乗っても、
家に帰っても。
やり取りは続く。
会話も、気持ちも、途切れない。
距離の変化
離れている時間が、前より軽くなった。
寂しさが消えたわけじゃない。
でも、それよりも——
「またすぐ会える」が勝つ。
感覚のズレ
普通なら、ここで不安になるはずなのに。
なぜか、ならない。
むしろ、安心している。
この関係は続く。
どこかで、そう思っている。
ふたりのリズム
連絡のタイミングも、会う流れも、
すべてが自然に回っている。
無理をしていないのに、途切れない。
気付けば、彼とのやり取りが、
生活のリズムになっていた。
深くなっているのに
関係は、確実に深くなっている。
一緒にいる時間も、増えている。
それなのに——
「重い」と感じる瞬間がない。
むしろ、軽い。
軽さの正体
「またね」
その言葉の軽さに、
少しだけ違和感を覚えた。
前は、もっと意味を持っていたはずなのに。
気付かないふり
でも、その違和感を深く考えなかった。
考えたところで、何も変わらない。
それよりも、
次に会うことの方が大事だった。
「またね」
そう言って別れることに、慣れていく。
終わりじゃない関係に、
安心している自分がいる。
それは、余裕なのか。
それとも——
もう抜け出せなくなっているだけなのか。
続きはまた次回。