
会えない時間
会えなくなって、三週間が過ぎていた。
連絡は続いている。
「おはよう」
「今日も忙しい」
「やっと落ち着きそう」
言葉はある。
でも——
前とは、違う。
埋まらない距離
やり取りをしていても、満たされない。
画面越しの言葉だけでは、
もう足りなくなっていた。
会っていた頃の感覚を、
体が覚えてしまっている。
久しぶりの約束
「少しだけなら会える」
そのメッセージを見た瞬間、
胸が苦しくなるくらい嬉しかった。
やっと会える。
そう思っただけで、
止まっていた時間が動き出す。
再会
久しぶりに乗った彼の車。
隣にいるだけで安心するのに、
同時に少しだけ緊張していた。
会えなかった時間が、
前とは違う空気を作っている。
足りなかった言葉
「ごめんね」
彼が、小さく言った。
その言葉だけで、
張っていたものが崩れそうになる。
本音
「このまま終わるのかと思った」
気付いたら、口にしていた。
言うつもりなんてなかった。
重くなりたくなかった。
でも、怖かった。
本当に。
初めて見る顔
彼は少し黙ってから、
静かに言った。
「俺も怖かった」
その顔は、
今まで見たことがないくらい苦しそうだった。
現実
「でも、家庭を壊すつもりはない」
その言葉で、空気が止まる。
分かっていた。
最初から分かっていたこと。
分かっていたはずなのに
苦しかった。
彼が悪いわけじゃない。
むしろ、正しい。
子供がいて、家庭があって。
守るものがある。
当然のこと。
それでも
じゃあ、私たちは何なんだろう。
ここまで気持ちが深くなって。
こんなに求め合って。
それでも、“選ばれない側”なんだろうか。
選ばなければいけない日
ずっと曖昧なままでいられると思っていた。
でも、本当は違った。
いつか必ず、現実は来る。
家庭か。
それとも、この恋か。
選ばなければいけない日が、
少しずつ近付いていた。
続きはまた次回。
