
その日は、突然だった
「ごめん、しばらく会うの難しいかも」
送られてきたメッセージを、何度も読み返した。
短い文章。
でも、その一文だけで、
呼吸が浅くなる。
理由
子供のことで、家の空気が少し怪しい。
最近、帰りが遅いって言われた。
しばらくは慎重にしたい。
そう書かれていた。
現実
初めてだった。
“家庭”という現実が、
はっきりこの関係に入り込んできたのは。
分かっていたはずなのに
そんな日が来ることくらい、分かっていた。
お互い家庭がある。
子供もいる。
ずっと同じようには続けられない。
そんなこと、最初から分かっていたはずなのに。
思った以上に
頭では理解できる。
でも、感情が追いつかない。
「そっか」
そう返すだけで精一杯だった。
怖かった言葉
“しばらく”
その言葉が、やけに怖かった。
一週間なのか。
一ヶ月なのか。
それとも——
もっと長いのか。
空いた場所
会えなくなっただけで、
生活の感覚が変わる。
時間が余る。
でも、その余った時間を、うまく使えない。
家にいるのに
子供と話していても、
夕飯を作っていても。
頭のどこかで、彼のことを考えている。
今、何してるんだろう。
同じように苦しいんだろうか。
温度差
ふと、不安になる。
私だけだったらどうしよう。
私だけが、こんなに苦しくて。
彼はちゃんと家庭に戻れていたら。
崩れ始める
会えていた時には見えなかったものが、
少しずつ見え始める。
この関係の不安定さ。
保証なんて、どこにもないこと。
それでも
終わりだとは思いたくなかった。
思った瞬間、
本当に終わってしまいそうで。
だから私は、
何も聞けなかった。
「待ってる」
その一言さえ、
重くなりそうで言えなかった。
続きはまた次回。