2026年 10月 の投稿一覧

婚外恋愛〜男の本音〜

第5話 会いたくて仕方がない

気付けば考えている

仕事中。

打ち合わせをしていても。

メールを返していても。

ふとした瞬間に、彼女のことを考えている。


らしくない

昔の自分なら笑っていたと思う。

いい歳をした男が。

家庭もあって。

子供もいて。

何をやっているんだ、と。


それでも

頭では分かっている。

でも気持ちが追いつかない。


会ったばかりなのに

数日前に会ったばかりだ。

連絡も取っている。

何も問題はない。

なのに。

もう会いたい。


欲しかったもの

最初は刺激だと思っていた。

男として見られたいだけだと思っていた。

でも違った。


彼女だった

会いたいのは誰でもいいわけじゃない。

彼女だから会いたい。

彼女だから話したい。

彼女だから笑ってほしい。


家にいても

夕飯を食べる。

家族と話す。

子供の話を聞く。

いつも通りの夜。


罪悪感より

もちろん罪悪感はある。

でも不思議だった。

罪悪感よりも。

会いたい気持ちの方が大きい。


危険だと思う

これは危険だ。

身体の関係だけなら、もっと簡単だった。

都合のいい関係なら、もっと楽だった。


そうじゃない

彼女が今日何をしていたのか気になる。

体調は大丈夫か。

仕事はどうだったか。

そんなことばかり考えている。


メッセージ

夜。

スマホを見る。

返信はまだ来ていない。

それだけで少し落ち着かない。


情けない

自分でも情けないと思う。

経営者として判断する時は冷静なのに。

仕事では何百万円も動かしているのに。

彼女からの返信ひとつで気持ちが揺れる。


久しぶりだった

こんな感覚は久しぶりだった。

いや。

もしかしたら初めてかもしれない。


欲張りになる

会えればいいと思っていた。

でも違った。

会ったら、また会いたくなる。


止まらない

会いたい。

ただ、それだけなのに。

その気持ちが日に日に大きくなっていく。


たぶん、この頃にはもう。

俺の方が先に落ちていた。

彼女が思っている以上に。

ずっと深く。

婚外恋愛〜男の本音〜

第4話 思ったほど後悔していなかった朝

翌朝、いつも通り目が覚めた。

隣には妻がいて、家の中には生活の音がある。

何も変わらない朝。

本当なら、後悔しているはずだった。


やってしまった

一線を越えた。

言い訳はできない。

家庭がある。

子供もいる。

やってはいけないことをした。

それくらい分かっている。


想像していた罪悪感

もっと苦しくなると思っていた。

自己嫌悪でいっぱいになると思っていた。

家族の顔を見られなくなるかもしれないと思っていた。


でも

思ったほどではなかった。

もちろん罪悪感がゼロじゃない。

そんなことはない。

でも——

それ以上に残っていた感情があった。


幸せだった

楽しかった。

それが一番近い。

一緒にいた時間が、純粋に楽しかった。


思い出してしまう

車を運転していても。

仕事をしていても。

ふとした瞬間に彼女の顔が浮かぶ。


まずい

これはまずいと思った。

身体の関係を持ったことじゃない。

そっちじゃない。


問題は

彼女に会いたいと思っていることだった。

もう一度会いたい。

話したい。

笑っている顔が見たい。


遊びなら簡単だった

もし遊びなら。

その場だけなら。

もっと楽だった。

連絡を減らして。

自然に終わらせればいい。


できなかった

スマホを開く。

彼女からメッセージが来ている。

短い文章。

それを見ただけで少し嬉しくなる。


危険な方向

たぶん。

男が本当にハマるのは身体じゃない。

居心地なんだと思う。


欲しくなる

また会いたい。

次はいつ会えるだろう。

そんなことを考えている。


分かっている

このまま進めば面倒になる。

感情が大きくなる。

傷付くかもしれない。

終わる時は苦しい。

全部分かっている。


それでも

後悔しているかと聞かれたら。

正直、できなかった。


むしろ俺は、

次に会う日を考えている。

そんな自分の方が怖かった。

婚外恋愛〜男の本音〜

第3話 今度、夜に会える?

分かっていた

もう、友達ではいられない。

二回目に会った時には、なんとなく分かっていた。

彼女と話していると楽しい。

会う前より、会った後の方が気になる。

それはもう、ただの知り合いじゃなかった。


危ないと思った

だからこそ、少し距離を置こうとも思った。

家庭がある。

子供もいる。

この歳になって恋愛なんて、面倒なだけだ。

そう思おうとした。


それでも

気付けば彼女とのメッセージを開いている。

仕事の合間。

信号待ち。

寝る前。

返信が来ると嬉しい。

来ないと少し気になる。


夜

ある日の夜。

家族はリビングにいる。

テレビの音が聞こえる。

いつもの光景。

何も問題はない。


足りない

それなのに、頭に浮かぶのは彼女だった。

今、何してるんだろう。

そんなことを考えている。


理性

ここで終わればいい。

会わなければいい。

そうすれば何も起きない。

誰も傷付かない。


本音

でも、会いたかった。

もっと話したかった。

もっと知りたかった。


打ったメッセージ

スマホを開く。

少し考える。

そして送った。

「今度、夜に会える?」


送信したあと

画面を見つめる。

消したくなる。

なかったことにしたくなる。


分かっていた

夜に会う意味くらい分かっている。

子供じゃない。

お互い既婚者だ。


返信

彼女から返事が来る。

短い文章だった。

でも、その返事を見た瞬間。

嬉しいと思ってしまった。


引き返せる場所

たぶん、この時が最後だった。

引き返せたのは。

会わなければ終われた。

会っても帰れば終われた。


それでも

その夜。

彼女に会うことを楽しみにしている自分がいた。

家庭も。

現実も。

全部分かった上で。


男は、好きになってから一線を越えるんじゃない。

一線を越える前から、

もう気持ちが始まっていることがある。

少なくとも、俺はそうだった。

婚外恋愛〜男の本音〜

第2話 また会いたいと思ってしまった

帰り道

カフェを出たあと。

車を走らせながら、ふと時計を見る。

思っていたより長い時間、一緒にいた。

それなのに、不思議なくらい疲れていない。

むしろ少し気分が軽かった。


久しぶりだった

女性と話したからじゃない。

楽しかったからでもない。

もちろん、それもあった。

でも一番大きかったのは——

無理をしなかったことだった。


気を遣わなかった

変によく見せようとしなかった。

面白い話をしようとも思わなかった。

沈黙があっても気まずくない。

話題がなくなっても焦らない。

そんな時間が、久しぶりだった。


家に帰る

家に帰ると、いつも通りだった。

子供たちの声。

妻の「おかえり」。

何も変わらない。

本当に何も変わっていない。


それなのに

気付くと、彼女との会話を思い出している。

あの時の笑い方。

少し首を傾げる癖。

話している時の表情。

どうでもいいようなことばかり。


自分でも意外だった

正直、ここまで残るとは思っていなかった。

会う前は、

一度会って終わるかもしれない。

そんなふうに思っていた。


メッセージ画面

夜。

スマホを開く。

何度か閉じる。

また開く。


迷う

送る理由なんてない。

今日のお礼は言った。

それで十分だ。

大人なんだから。

家庭もある。

変に期待を持たせるのも違う。


それでも

このまま終わるのは、少し嫌だった。


打った言葉

しばらく画面を見つめてから、メッセージを送った。

「今日はありがとうございました」

一度止まる。

それだけで終わろうと思った。


本音

でも、指が動いた。

「また会えたら嬉しいです」

送信ボタンを押した瞬間。

少しだけ後悔した。


大人げない

何をやっているんだろうと思った。

学生じゃあるまいし。

この歳になって。


返信

しばらくして返信が来る。

短い文章だった。

でも、それだけで十分だった。


まだ知らなかった

この時はまだ。

次に会うことを楽しみにしている自分に、気付いていなかった。


ただ。

久しぶりに思った。

また会いたい。

それだけだった。

少なくとも、この時は。