
彼も、私との時間を選んでくれる
期待に応えてくれているのか、それとも本心なのか
最近、彼は以前よりもはっきりと
「一緒に過ごす時間」を作ってくれるようになりました。
仕事の合間だけじゃなく、
週末に時間を空けてくれたり、
泊まりがけで出かける予定を立ててくれたり。
それが
期待に応えようとしてくれているのか、
それとも本当に一緒にいたいと思ってくれているのか。
考えても、答えはわからないけど。
少なくとも
選ばれている時間がある
その事実が、私を安心させていました。
予定を共有するだけで、心が浮き立つ
旅行の日程を決めて、
宿を探して、
どこに行くかを話す。
それだけのことなのに、
胸の奥が少し弾む。
まるで、
普通の恋人同士みたいだと感じてしまう自分がいました。
夫婦に見られることが、嬉しい
誰にも気づかれない、でも確かにそこにある幸福
旅先では、
誰も私たちの事情を知りません。
隣を歩けば、
自然に夫婦やカップルだと思われる。
お店で二人分の食事を頼み、
同じ部屋に泊まり、
同じ朝を迎える。
その空間の中では、
私たちは「いけない関係」ではありませんでした。
その視線が、心を満たしてしまう
誰かに
「奥さんですか?」
と聞かれるわけでもない。
でも、
そう見られている気がするだけで、
心が満たされていく。
それを嬉しいと感じてしまう自分を、
止めることができませんでした。
一緒にいる間だけ、世界が完結する
現実を忘れてしまうほどの安心感
彼と一緒にいる時間は、
驚くほど穏やかでした。
疑うことも、
不安になることも、
未来を考えることもない。
ただ、
今この瞬間だけが続けばいい。
そんなふうに思えてしまうほど、
心が静かに満たされていきます。
「幸せだ」と、はっきり思ってしまう
いけないことだと、
ちゃんとわかっています。
正しくない関係だとも、
理解しています。
それでも、
一緒にいる時間と空間は、
私にとって
世界で一番幸せだ
そう思えてしまうのです。
幸せが深いほど、戻れなくなる
この時間が、永遠じゃないことも知っている
週末が終われば、
それぞれの現実に戻る。
そのことも、
もちろんわかっています。
でも、
わかっていることと、
受け入れられることは、別でした。
幸せを知ってしまった代償
こんな時間を知ってしまったら、
もう、
何もなかった頃には戻れない。
幸せが深くなるほど、
失う怖さも増えていく。
それでも私は、
この関係を手放す勇気を
まだ、持てずにいました。
次回予告
次回は、
「幸せの裏で、静かに増えていく不安」
一緒に過ごせば過ごすほど、
見えなくなっていた現実が、
少しずつ顔を出し始めます――
続きはまた次回。