親子の関係は、人生の中で最も近く、最も影響力のある繋がりです。
だからこそ、バウンダリー(心の境界線)が曖昧になりやすい関係でもあります。
親は『子供のためを思って』と言いながら、つい先回りして手を出してしまう。
子供は『親に心配をかけたくない』と、自分の本音を押し殺してしまう。
そんなやりとりの中で、知らないうちに心が苦しくなる事はありませんか?
バウンダリーを意識するというのは、親子の絆を切る事ではありません。
むしろ『相手は相手、自分は自分』という尊重の意識を持つ事で、関係がより健やかに保たれます。
親は『子供の人生をサポートする立場』であって、『代わりに生きる存在』ではありません。
また、子供も『親を幸せにするために生まれた存在』ではなく、『自分の人生を生きる為に生まれてきた存在』です。
子供の選択に口を出したくなった時、『この選択を信じて見守る勇気を持てるかな?』と自分に問いかけてみて下さい。
親の期待に応えようと頑張りすぎていると感じた時、『これは本当に自分の望みかな?』と一度立ち止まってみましょう。
バウンダリーを持つ事は、愛を減らす事ではなく、“愛の形を変える事”です。
相手を支配したり、依存したりする愛ではなく、自由に尊重し合う愛。
その距離が出来る事で、親も子も、自分らしく呼吸が出来る様になります。
『あなたの人生はあなたのもの』『私は私の人生を大切にする』
そんな静かな信頼の中で育まれる関係こそ、本当の親子の絆と言えるのかもしれません。
どうか、愛の境界線を恐れずに。。。
それは離れるための線ではなく、お互いの心を守る為の優しい線なのです。
羊乃 愛癒 (ひつじの めい)