パートナーが帰宅する時間が近づいてくると、憂鬱になったり、緊張したりする。
休日の夜になると、憂鬱になったり、緊張したりする。
身近な人の不機嫌な態度や、話しかけても無視される状態が続いて、『自分が怒らせるような事をしたかな。。。』と不安になる。
こんな風に、パートナーや職場の方とのやり取りが怖いと感じた事はありませんか?
それはモラルハラスメントに対する心理反応かもしれません。
モラハラは、言葉や態度による暴力です。
受けた側の傷は目には見えませんが、受けた人の自信や価値観、尊厳をそぎ落とし、心を殺します。
明らかな暴言や乱暴な態度がないタイプのモラハラの場合、自分が暴力を受けていう自覚は出来ません。
丁寧な口調で人格を全否定される事も多く、気が付くと心がズタズタになっている事も。。。
モラハラパーソナリティ
自分のためにモラハラを常態的に選んで行なっている人
モラハラパーソナリティの人は、ターゲットを決めて攻撃します。
ターゲット以外の人にはとても良い顔をする為、被害者が周りに相談しても理解されずらく、更に苦しい思いをされます。
不機嫌になる・口をきかない・八つ当たりする、といったモラハラの特徴は、誰もが身に覚えのあるもの。
どこの家庭や職場でも良くある事だし、勝手に言わせておけばいい。。。などと言われて終わる事が多く、日々の生活の中で、じわじわと暴力を受け続け、周りに相談しても自分の気のせいだと感じてしまい、いつの間にか自分が自分でなくなっています。
ですが、モラハラは『どこの家庭や職場でも良くある事』ではありません。
モラハラパーソナリティが自分の為に被害者を利用し、その人の世界を支配して行く事です。
モラハラの手法
例えば、モラハラの手法の1つに『誘導』があります。
旅行中にどこを観光するか決める場面を考えてみましょう。
モラハラパーソナリティには、既に行きたい場所があります。
『ここはどう?』と被害者が提案して、そこが相手の行きたい所ではない場合、『本当にそれでいいの』と言ったり、ムスッとした顔をしたりします。
そうした態度に引っぱられて被害者は自分の意見を変えていきます。
通常なら相手の思いを汲み取る事は良い事ですが、被害者が自分で決めた事の様に『誘導』しているのです。
更に、行ってみたけれど期待していた様な所では無かった場合や、天候が悪い事もあるでしょう。
そんな時も、『お前のせいだ』と不機嫌に言ったり、自分だけ別行動を始めたり、家族を置き去りにして一人だけホテルに帰ってしまったりもします。
上手く行けば『自分のお陰だ』となり、そうでなければ『お前のせいだ』となる。
旅行は例えですが、職場やご家庭内で、このような誘導が身の周りで起こっていないか思い出してみて下さい。
日常生活でも、何かを決める度に同じような状況が繰り返されて、被害者は相手の不機嫌な言動を思い出して、何とか相手に寄り添おうと自分の意見を無くしていきます。
『相手に従ってしまう被害者も悪いのでは?』という意見もありますが、同じような状況が一度や二度ではなく、常に起こるとしたらどうでしょう。
相手の不機嫌が、ずっと続いたらどうでしょう。
一見、暴力には見えませんが、被害者を責め続けるのです。
相手と良い関係を作りたいと思って努力しても、被害者の努力だけでは成り立ちません。歩み寄っているつもりが、自分を捨て去り、相手の世界に飲みこまれて行く事になるのです。
分かりやすい暴力的な言動を受け続けた人は当然の事、口調こそ丁寧でも、この様な静かなモラルハラスメントを受けてきた人の心も同じように深く傷ついています。
モラハラ被害に気付いた時は
モラハラという言葉と出合い、自分の辛さの原因が分かると、『なぜ、相手はモラハラをするの?』『どうしたら、辞めてくれるの?』と、その原因を夢中になって探る様になります。
ですが、モラハラは相手の心の問題です。
モラハラという手段を使って、自分の心を守っているのです。
本人が自分と向き合わない限り、変わる事は無いでしょう。
相手の事ばかり考えていても、心は晴れません。モラハラを受けているかもしれないと感じたら、次の行動を取ってみて下さい。
1 相手から、まず離れる
自分の心を苦しめる相手から、まず離れてみて下さい。
相手がモラハラパーソナリティなのかを夢中になって調べるよりも、辛い・しんどい・怖い、という、あなた自身の思いを大切にして下さい。
モラハラを受け続ける環境で、自分の事を冷静に見つめる事は出来ません。
心の安全を確保して自分と向き合う事が大切です。
夫婦間のモラハラの場合、ご実家など安心出来る場所で過ごして下さい。
慌てて離婚を決める必要はありませんが、これから自分はどうして行きたいのかを、じっくりと考えてみましょう。
2 誰かに話してみる
たった一人でモラハラに向き合い続けるのはしんどいですよね。
モラハラを指摘してくれた人が居るならその人に。
居ない場合はあなたの味方でいてくれる人に、相手とのやりとりで辛かった事を話してみて下さい。
話しをする過程で、あなたの味方になってくれていた人と疎遠になっている事に気が付くかもしれません。
これも、『誘導』による事が多く、モラハラパーソナリティは、あなたの味方になってくれていた人からあなたを遠ざけて、暴力に気づく機会を奪っているのです。
3 一人の時間を持つ
実家には帰れない、誰かに話すのも難しい、という場合は、一人でホッと出来る時間を少しでも良いので持つ様にしてみましょう。
お気に入りの喫茶店に立寄る、休日に図書館に行くなど、物理的に長時間離れられなくても、相手の事ばかり考える時間を少しずつ減らしていく事によって、精神的に距離を取っていく事が大切です。
自分のの生き方は、自分で選んで良い
自分と向き合う時間を持つと、特に恋人や夫婦関係の場合、『自分の見る目がなかった』『そういう人を選んだ自分が悪い』と思いがちです。
ですが、自分を責めないで下さい。
モラハラパーソナリティは、ターゲット以外の他者にはとても良い人の場合が多いのです。
交際・結婚するまでは、あなたもその『他者』だったハズです。
また、相手が変わったのでも、あなたが相手をそういう人にしたのではありません。
自分のテリトリー内の身近な存在になつたからこそ、モラハラをする様になったのです。
その事をふまえて、この先、相手とどうして行きたいのかを考えてみて下さい。
あなたの価値観は、あなた自身が変えたいと思わない限り、誰も変える事は出来ません。
それが、パートナー、親、友人、上司など、相手が誰であってもです。
あなたは、誰かのために存在しているのではありません。
自分の生き方は、自分で選んで良いのです。
これからどう過ごしていくかは、あなた次第。
あなたの心が晴れやかになる道を選べます様に。。。
羊乃 愛癒 (ひつじの めい)